化学と生物が好きで、農学部に入ったけれど実際にどんなところに就職・転職しているのか。
農学部といえば!
農業!食品!バイオテクノロジー!
とはいうものの、
実際どんなところで働いているのか、
私も就職してみるまで良くCMで見る食品メーカーしかイメージなく、
とりあえず就活窓が開いたら総アタックしてたんですよね。
自分が苦労したのは、
視野狭窄だったなとおもうので、
これから農学部を行く人も卒業する人も、
農学部の仕事を具体的に体験談や同級生や先輩の話を交えつつ紹介できればと思います。
農学部の就職事情

りりっつが農学部から、農学研究科(農学部の大学院)を卒業したのは10年前の話。
10年ひと昔というくらいだから、
世相はだいぶ変わっているかもしれません。
けれども、
学問の本質は変わっていないし、
就活する学生が得られる情報の質も大きくは変わっていないと思います。
プロフィールに記載した通り、
りりっつは新卒就活時にまぁ苦労しました。
ホントに就職なかったんで。
手あたり次第に食品メーカーアタックしても手ごたえなく。
食品工場は景気に左右されにくいと言えど、
やはり単価が安いものですから。
そのくせ、某企業のキャッチコピー
「やがて命に代わるもの」との触書のもと、
低単価な食品に込められる期待は過剰なものに…。
常日頃から消費者の監視の目にさらされ、
ひとたび混入なんて起ころうもんなら、
鬼の首をとったみたいに大炎上…。
まぁ儲からない世界ですわ。
そんな食品メーカーが、
どんなに頑張っても新人を入れれるのは数名…。
りりっつの生息圏では、
農学部や農学部に準ずる生命化学系の学部が3学ほど。
会社説明会どこに行っても、同じメンバー。
そんな就職活動でした。
OBOGの就職先情報から、
農学部の就職先の花形はこんな感じ。
でもね、実際メーカーって売り場やCM以外に知りようがないし、
食品添加物メーカーとか、学生が調べてリクルート窓にたどり着くって至難の業。
りりっつは、
食品業界・製薬業界を横断的に歩く企業に就職しました。
結果として、業界を広く知ることが出来たので、
案外良い選択をしたのでは?などと思ったりします。
就活生が知らない農学部の就職先

農学部でとりあえず、名前の知ってるメーカーに!と思って就職したところ、
結構後悔している人も。
そんな中で、
よく聞かれる後悔理由は、
これ未来あるの…?

これで転職した人、何人も知っています。
有名な食品企業に就職して3年頑張った子からも。
酷い事例だと、
品質保証部って聞いていたのに、
結局製造ラインだった。
なんてことも、よくある話。
現場の人たちを統率する!という建前で、
学歴全く不問の人たちと同じ作業をし続ける。
何のために大学行ったのか。
そんな嘆きをよく聞きます。
実際、
工場の管理(安全衛生・食品衛生等)はとても頭が要ります。
そういう方面であれば、やりがいをもって働けていたはず。
けれども食品業界は万年人員不足です。
ジェンダー的でとても残念ですが、
特に男の子は率先して仕込み系(パワーがいる)の人員としてカウントされてしまうんですよね。
食品業界の中の人として、
就職前のミスマッチを防げるよう、
農学部の人たちが実際に活躍している業種をご紹介します。
これ、普通に生活していたのでは、
まず知らない業界だと思います。
入り口広くキャリアアップが狙える農学部の就職先

意外にも、りりっつがおすすめするのは防虫防鼠業界です。
ゴキブリ・ネズミの退治屋じゃないかって思いましたか?
でも実際は、コンサルのかじりなんかをやっています。
現在制度化されているHACCPの運用マニュアルでは、
防虫防鼠管理は必須なので。
防虫防鼠はとてもじゃないけど自社管理難しいんで、
9割近くの食品業者は…否…
食品に触れうるものすべての業種がお客様です。
で、
多くの厳しい監査先は防虫防鼠管理を滅茶苦茶重要視します。
全国展開する小売りや、
商品力ある百貨店、アミューズメント系も、
必ず工場監査があり、監査を通すには防虫防鼠管理必須です。
ですが、
この業界は常に人手不足なので、
間口が広い。
けれども、ある意味きつい仕事なので、
定着率も高くない。→常時人手不足のループ
この業界は、
食品・製薬・化粧品など、
人が口にしたり触れうるすべての工場がお客様なので、
本当に色々な工場を見ることができます。
防虫防鼠で色々な工場にお邪魔していると、
あの工場が仲がいいとかライバルとか、
そういうのも見えてきますし、
横断的に広く食品業界に入るので、
知らなかった業務形態の工場を見つけることもできます。
例えば、
お菓子の詰め加工とかね。
専門に取り扱っている工場があります。
少なくとも、私は就職するまで知らなかった世界でした。
これだけ横断的に様々な工場にかかわっていると、
良い工場・もっと頑張らなければならない工場・正直危ない工場、
丸裸に分かります。
目が肥え、次のキャリアアップにつながります。
防虫防鼠経験者は、高確率で品質保証系で重宝されますし、
新卒ではまず相手にされないであろう監査会社なんかの入り口も叩けます。