『食品工場』をGoogle先生に聞いてみると、
なんとサジェストされる言葉は…
実際に検索してみると、経験者の体験談など数多く…。
確かにみんなきついって言ってる!
けれども、ポジティブな言葉は届きにくい傾向があって、
どうしてもネガティブワードがどの業界も声が大きくなりがち。
そんな中、食品業界で10年。
横断的に食品工場に入るポジションで、現在は自社工場も持つ会社に勤務している現役の食品業界に勤務している筆者が、
複数工場を見ているからこそわかること、
また、自社工場も持っているからこそ聞こえる現場の声をまとめていますよ。
- 食品工場勤務を希望する人に向けて、本当に食品工場はきついのか?のアンサー
- 現在食品工場にお勤めで、ひょっとして辛いの自分だけ?と思っている方にも他社事例を
- きついと思ったら…の対処法
- 食品業界歴10年越え!
- 前職は防虫業者で衛生管理のコンサルしてた
- 現職は自社工場もあり、商社部門で委託先工場の監査にもいく
食品工場は本当にきついのか?→(答)きついです!
食品工場がきつい理由は大きく5つ。
- ルーチンワーク
- ずっと立ち仕事
- 賃金の割に顧客要求高い
- 工場内の熱い寒いのふり幅
- 人間関係難しすぎ
こういった点から、「食品工場はきつい」と思われているようです。
各内容の詳細は後述しています。
食品工場がきついと言われる理由①ルーチンワーク
食品工場は、製造がメイン。
製造品目が違っていても、やっている内容は同じラインならほぼ同じ内容になります。
基本的に仕込みの担当になれば、
レシピは違えどやることは同じで、「計量」と「混合」だけ。
成型担当になれば、仕込みが仕上げた原料を「投入する」だけですし、
焼成や包装なども担当になれば味違いレシピ違いあれど、
基本作業はルーチンワークです。
日々変化に富むわけではなく、
同じ作業の繰り返しですから、
苦痛に感じる人もいるかもしれません。
食品工場がきついと言われる理由②ずっと立ち仕事
食品工場では、どの工程でも基本立ち仕事。
そして、担当によっては常に力仕事です。
検品・包装の一部が工場によっては座ってやっている場合もありますが、
食品工場全体を見渡せばほぼほぼ立ち仕事で完結しています。
同じように小売り業のレジ打ちも立ち仕事ではありますが、
食品工場ではお客様対応が発生しないため、
気持ちの面では楽という声も◎
食品工場がきついと言われる理由③賃金の割に顧客要求高い
食品工場は基本的衛生管理ができている工場であれば、
まず入場手順が多い!
白衣の洗濯方法にも縛りがあり、原則白衣単独での洗濯を推奨しています。
食品工場は、作業者の衛生管理、施設設備の衛生管理、食品安全面の管理など、
とにかくルールが多い。
入退場するたびに手洗いコロコロがけをせねばならず、
かつ一々記録をとらねばならないという面倒くささ。
また、毛髪一本でもクレームを頂戴した際には、
例え数百円の物品でも、処理費用が数千円発生します。
クッキーなんかを販売していると、
裏面に「割れやすいから取扱注意」=「割れるものと認識してほしい」と明記してあっても、結構割れのクレームは多く、10枚の内1枚割れていたからと交換を要求されることもあります。
食品工場がきついと言われる理由④工場内の暑さ寒さのふり幅
工場内は基本火力が強い!
オーブンやフライヤーがある部屋は本当に暑い。
また、飴などの場合、部屋が涼しいと成型が終わらぬうちに固まってしまうため、
わざと暑い環境で加工していたりします。
製品特性によっては、常に15度以下管理などで寒い状態を強いられることも。
冷凍倉庫なんかは極寒ですが、
商材によっては冷凍庫内での作業が多いものもあります。
オーブンで加熱(激アツ)→放冷(涼しい)という工程も大体の工場は挟むので、
仕込み(やや涼しい)
加熱(激熱)
放冷(涼しい)
包装(涼しい)
と、一つの工場内で温度が乱高下は普通です。
食品工場がきついと言われる理由⑤人間関係難しすぎ
食品工場は、基本的に接客を伴わないので(品証・営業除く)、
多少コミュニケーションに難があっても問題なく働けます。
それ故に、ややコミュニケーションが難しい人も高確率で混ざっています。
作業が正確で早くても、それを人に教えるのが得意というわけではないので、
スキルは「見て盗め」かつ「研修はOJTのみ」がザラです。
中には本当に曲者もいて、
新人を潰しにかかってくる人も実在します。(そういう人は単独の作業は優秀)
食品工場はハマるひとは本当に長く働いてくださるので、
社員よりパートの方が作業ができ、曲者ということもしばしば。
食品工場はきつい?実際に働いてみた結果
食品工場に度々お邪魔するポジションで働いていますが、
もう万年人手不足の自社工場で働いてみました。
きつい…
きついんですけど…
個人的にはそこまで絶望的ではない印象。
ただ、やっぱり思うところがあって、下記にまとめています。
- 一日工場に入ると三日筋肉痛に悩んだ
- ラインスピード早くて休憩のタイミング難しすぎ
- 慣れると自分なりに工夫出来て楽しくなる
- 慣れるまで頑張れられれば続けやすい
詳しく見ていきましょう!
一日工場に入ると三日筋肉痛に悩んだ
これはもう、自分の運動不足に尽きるのですが…。
月曜日にヘルプに入ったところ、水曜日まで筋肉痛…。
流れ作業の為、自分のタイミングでどうこうできるはずもなく、
休憩のタイミングを見つけられず、ずっと立ち作業。
17時を迎え、(定時は17時半)あと30分だ!と思ったところに、
「今日は18時30分まででーす!」
/
ハイ喜んで―!
\
絶望のあまり、真逆の言葉しか出てこないという。
普段デスクワークがメインなので、本当に堪えました…。
ラインスピード早くて休憩のタイミング難しすぎ
生産効率にも関わるので、食品工場は可能な限りMAXスピードでラインを回しています。
『ラインスピード=生産量』なので!
慣れている人は本当に一分の隙もなくこなします。
私は普段様々な食品工場にお邪魔しているのですが、
どの工場も作業者さんのスピードは圧巻です。
このスピードが曲者で、
一度その工程に入ると、みんな目の前に集中します。
肉体が疲れようとも、簡単には休憩ができない状態に陥ります。
慣れると自分なりに工夫出来て楽しくなる
一日二日は本当に地獄なのですが、
作業に慣れてくると、自分の中で効率化を図る創意工夫を始めます。
単純作業故、創意工夫を光らせて目に見えて作業効率をUPさせることができ、
ちょっとした快感に。
とある工場さんでは、商品設計上ひもを縛る工程があるのですが、
経営陣始め、無心で没頭したいときに縛り作業に入るそうですよ。
慣れるまで頑張れられれば続けやすい
これは多かれ少なかれどの仕事でもあるのですが、
食品工場は特に顕著。
短期間でやめるというよりは、
食品工場は通り過ぎていく人か長期続けるかの二択です。
食品安全・食品衛生系の仕事のためしばらく工場の事務所に張り付いて仕事をしていると、
面接も多ければ、入社も多いのだけれど、その大半は数回来ただけでやめていくという。
まさに通り過ぎていく!
けれども、ベテラン勢は本当にみんな長くて、
食品工場は合うか合わないかがくっきり分かれる職場なのだなぁと。
食品工場はきつい! けど没頭できるしやりがいもある
食品工場は労働環境も過酷だし、
人間関係も難しく、
慣れないうちは筋肉痛必至…!
けれども、やっぱり自分一人ではなく原料受け入れから出荷まで、
たくさんの人の手を介しながら売り場に並んでいきます。
自社製品には愛着もあるし、
無心で働くには良い環境。
自社製品が手に取られる瞬間を目撃するのは、
何とも言えないくすぐったい気持ちにもなります。
大きな工業製品は購入機会が多くないですが、
食品は生活の延長線上ですから、
「多くの人に」「何度も」手に取ってもらえるというのは嬉しいものです。
どこの食品工場も人間関係の問題はつきものですが、
やはり人が「合う」「合わない」があるので、
食品工場で働くこと自体が楽しいと思えるのに、つらいのは環境のせいかもしれません。
実際食品工場の中の人をやっていると、
「数日で退職する通り過ぎる人」と「ハマって長く頑張る人」が綺麗にくっきり分かれます。
慣れないうちは確かにきついですが、
慣れてしまえばあとは自分との戦いの部分もあり、
漫然と現状維持もできてしまうので、居心地が良い人には居心地が良いのだと思います。
ただ、業界全体を挙げて価格転嫁できるものではないので、
生活には困らない程度の収入を広く長く得られ続けるのも食品工場の特徴。
食品工場で現在働いていて、きついなぁと思っているのであれば、
思い切って環境を変えるのも手です。
食品工場は万年絶賛求人が出ていますから、
きっとハマる食品工場があります。
また、食品表示検定などにチャレンジして、
現場から脱出するのも手ですよ。
脱出するならまず転職エージェントを覗いてみよう!
筆者が利用して子持ちでも転職を決めたのはdodaです!