就職転職

こんな食品工場はやめとけ! 転職を考えるべき工場監査で見えるやばい工場

食品工場で働く人
食品工場で働く人
大卒なのに食品工場でずっとライン作業…
工場長の自分?ないない…

農学部の卒業生などでは、よくこんな声を聴きます。
実際に私の後輩も同じことを言っていて転職してきたクチ。

こういう「〇〇はやめとけ!」系って、
一つの職場だけの経験者が愚痴を言っていたり、
一社経験のみの人をインタビューして業界全部がそうだと言ってみたり。

実に嘆かわしい!!!

この記事を書いているのは

農学部卒で食品メーカーではどこかしかで同級生ないしOBOGに出会う

複数の食品工場を相手に横断的にサポートしている仕事をしてきた

自社工場と製造委託工場の工場指導・監査をしている

食品業界10年(転職経験もある)

やめた方がいい食品工場の情報転職しても一緒かもしれないと悩んでいる人に役立てるように、複数の食品工場のリアルをまとめています。

りりっつ
りりっつ
それではいってみよー!

こんな食品工場はやめとけ! 実在するブラック工場

冒頭でも触れたのですが、
「大卒でずっとラインで…このまま食品工場で働き続ける自分の姿が想像できなくて、転職したんですよね」
そういう人は本当に多く、
私の職場の若い男の子もそう言っていたという。

某有名観光施設の提供食品系の品質管理統括さんも食品工場出身。

新卒入社3年間、仕込み。ただひたすら仕込み。
「僕、旧帝大院卒なのになんでずっと仕込みなんですか?おかしくないですか!?」
疑問を持って上司に直談判したところ…

「バレた?」
そう言われて工場から本社に戻ったという武勇伝があるとか。

食品系の学部卒だからと、安易に食品工場に入ると、
男性は特に仕込みなどの力仕事を延々とやらされます。
商品企画や品質管理・品質保証のつもりで入社していても、
実際やらされるのは高卒と変わらない内容というのが実情。

来る日も来る日も計量、混合…

大手でも、一度ラインに配属されるとジョブチェンジのチャンスは乏しく、
何年勤務しても仕込みしかやっていない…
そんな風に悲観することもあるかもしれません。

けれども、「目の前の食品工場」がブラックなだけで、
「食品工場すべて」がそうではないということは確固たる事実なんです。

工場監査でお邪魔していても、この工場はやばいなという特徴はいくつかあるので、
現状が「やばい寄り」な工場だったら、
すぐ逃げ出しても良いかもしれません。

こんな食品工場はやめとけ!ヤバい食品工場事例集

前職現職通して複数の食品関連工場に出入りしたり、
行く先々で同級生にでくわす食品系大学卒な同窓会では、
ヤバい食品工場の存在を知ります。

社員が逃げ出す出入りが激しいヤバめ食品工場の特徴をまとめています。

製造計画が残業ありき

食品工場で働く人
食品工場で働く人
いやまじでうちの会社ばかなのかなって思うことある

そう言っていたのは、
当時乳業系の品質管理で働いていた同級生M君。

製造数が明らかに定時で終わらない。
そう。残業ありきで製造計画を立てているという。

M君の工場はきっちり残業代は払ってはいたものの、
交代で別の人員を回す健全な製造計画や人員配置はなし。

いや、残業代キッチリくれるからいいんだけど…と前置きしたうえで、
社員に残業させるよりは、余剰分の時間をバイトや派遣が入ったほうが断然安上がりのはずなのに、しない。

ちなみにM君の工場は吸収合併されることになり、
残るという手段もあったけれど、
勤務地の都合上、合併で退職を選択。

転職は当時私が防虫業者に入っていた別の食品工場が品管を求人したいというので、
ちょうどいい人材いますよと紹介したところ、
主任待遇で秒で転職活動を終えました。

無茶苦茶な製造計画は置いておいて、
食品工場って結構1分刻みで残業代をしっかり出す企業が多い印象です。

品質管理体制がズタボロ! 防虫業者さえもケチる

防虫防鼠という概念は、
現代の食品工場には必須で、
保健所が作成を求める衛生管理計画にも明確に記載されています。

ただし、その記載の仕方が、
「適切な防虫防鼠管理をするように」というふんわりとしたもの。
防虫防鼠管理は必須だけど、どうやるかは自由だよ。に近い。

適切なの解釈の幅が本当に広く、
防虫防鼠管理業者に丸投げしている会社がほとんど。

農学部の就職と転職!食品業界を目指すなら○○がいいぞ!農学部の就職といえば食品メーカー、製薬メーカー、化粧品メーカー、農業あたりが思い浮かびます。就職活動は学部を挙げて丸被り。けれど、視点を変えると知らなかった就職先に出会えるかもしれません。農学部卒業後、食品業界以外に就職した筆者の視野を広げるためのお話し。...

↑防虫防鼠の仕事をもう少し詳しく知りたい人向け。

で、この防虫防鼠業者というのは現場に来てもらって、
トラップを交換したり殺虫剤の散布をしたりする。

現場に来てもらうってだけで、
普通に交通費とか出張費とかかかっているので、
結構馬鹿にならない。

ほとんど業者が噛まないような激安プランでも、
ほとんど年間10万きることがない固定費なんですよね。

業者を入れさえすれば勝手に記録も残るし、
「適切に防虫防鼠管理してる」って言えるし、
なにより虫の勉強しなくて済むもんだから、
ほとんどの食品工場は業者を入れています。

でも、ここをケチる食品工場は、
本当に衛生管理を何もやってないところがほとんど。

自社管理です!っていって、
キッチリできてる事例は99.9%ない。

で、こういう食品工場の自社の管理自慢の根拠がほぼ100%…
「うちはコ〇プさんと取引してるんで、大丈夫です!」

このセリフ、冗談抜きに工場監査あるあるだと思う。
衛生管理ズタボロなところ、そろいもそろって絶対言う!

コ〇プは独特の管理基準があるだけで(要はクセツヨ)、
口出しは多いが、本当に取り扱いたい商品を前に、
あれこれ金のかかることは言わないだけ。

昇給は絶望的! 残業ナシだと安すぎ…

決して残業払いやボーナス払いが渋ちんではないのが、
食品工場の特徴の一つ。

けれども、昇給はかなりシビア。
残業ナシで考えると、結構給料は安め設定。

防虫防鼠業者にいた際、
上司から、「お客さんの役職付きより、私たちの初任給は高く設定されているんだから、決して給料の話はするな」と言われたほど。

(防虫業者も初任給はそれなりだけど、5年で50円しか上がらなかったけどね…)

前述の通り、残業ありきで働く人がほとんど。
時間の制約があるワーママとかはかなり厳しいんじゃないかなぁと。

ボスパートが居がち(人間関係が難しい)

これ恥ずかしい話なのですが、
自社工場でも頭を悩ませているんですよね…。

単独プレイが得意で、単独ではテキパキと仕事をこなせるのだけれど、
『初心者』『できない人』への配慮がなく、
きつく当たり、自分のスピードについていけない人を置いてけぼりにするベテランスタッフの存在…。

単独では問題ないから、上長を意見し辛いという。

社を挙げて人手不足だけれど、群を抜いて工場の人手不足が深刻で、
企画部の一部が製造間に合わせてもらって世話になっているからと、
現場に手伝いに入ったところ、

「心折れそうになった…」
「5時間1秒たりとも休憩できなかった」
「1日現場はいったら3日間筋肉痛になった」

そんなコメントを寄せていました。

食品工場は(特にお菓子工場は)、
圧倒的に女性の力によって支えられており、
女性が集まると特有の村文化が醸成されがち。

今いる人員と歯車が合致すれば長くいてくれますが、
即やめる人も少なくないのが食品工場の特徴と言えますかね。

食品工場で働いても何のスキルも身に付かないは誤り

食品工場で働いていた人たちに良く言われるのが、
「仕込みをやっていただけ」「盛り付けをしていただけ」「検品していただけ」など、
現場作業をしていただけで、何もスキルが身についていないというもの。

私はね、断固これは誤りであると言います。

一つの作業のみしてきたという人。
一つの作業のみできる人員配置をしているということ。
それって食品工場としては大手の部類に入る可能性が!

(マジの中小は一人で何役もさせられる。)

単作業しかしていない背景で、
記録帳票を付けてこなかったですか?
清掃マニュアルや指示書など、見てこなかったですか?

それこそが経験であり財産です。

どの食品工場も、
自社の帳票、自社の基準しか知らず、
他社の情報を入手する手段はありません。

他社の管理方法って、
それだけでかなり情報的価値があります。

各食品工場の衛生管理体制って、
会社の恥部というか…秘匿性がかなり高いように思います。

なので、工場監査やらなんやらで工場を回る機会がある人しか、
複数社の管理状況なんて知り得ないんです。

また、中小企業でオールマイティになんでもやってきた人は、
スキルの塊でしかない。

どんなヤバいブラック食品工場でも、
何もスキルが身につかないなんてことは、絶対にないです。

わけあって食品工場はいつだって人不足

食品工場やばい、食品工場低賃金、食品工場底辺…
誤った情報は数知れず。

そのせいもあって、食品工場はいつだって人手不足です。
なので、食品工場の経験者はいつだって引く手あまたなんですよ。

同じ食品工場でも、本当に当たりはずれは大きい。
ですから、疑問に思うなら、苦しいと思うなら、
同じ業界で十分スキルが活かせ、あなたに合う職場は絶対ある。

定時でぴっちり窓口がしまる、食品工場もある。
社員旅行でみんなで海外に行く、食品工場もある。
衛生管理レベルの上げて、誰もが知る商品を作り出す食品工場もある。

食品工場から食品工場への転職は、本当にたやすいです。
やりがいもって働ける食品工場が見つかると良いですね。

本記事を読んで自分の工場ヤバいかも…と思ったら、
転職エージェントに登録してみては?

1歳児がいる、アラサーで転職を決めれたのはdoda
でしたよ!

ABOUT ME
りりっつ
一姫二太郎もつ昭和最後生まれワーママ。 食品衛生・食品化学で学位をとった修士持ち。 食品表示と食品衛生が得意。工場向け防虫業者→食品メーカー兼卸品証勤務。毎日食品表示法と景品表示法を乗り回し、商標関係も嗜む。