食品の品質管理は、安全で美味しい食品を提供するために欠かせない仕事。
けれども、食品の品質管理(会社によっては品質保証と同義)の仕事内容は、
食品製造の工程のすべてに関わっており、非常に多岐にわたります。
そのため、食品の品質管理の仕事は非常にやりがいのある一方で、
とても大変な仕事でもあります。
- 食品品質管理の仕事内容は?
- 食品品質管理の仕事のメリット・デメリットは?
- 食品品質管理の仕事に向いている人とは?
- 食品品質管理の仕事の将来性はどうなっている?
これらの疑問について、
現役の食品系品質管理(品質保証含む)である筆者が詳しく説明します。
- 食品業界歴10年越え!
- 現役総合食品卸&自社工場ありの本社品質管理部(品質保証)6年!
- 食品衛生学専攻修士持ち
- 食品工場の工場監査が得意で年間30工場以上を訪問
食品の品質管理やめとけと言われる理由!仕事内容を解説
食品の品質管理(品質保証)の仕事は、食品の安全性と品質を管理する仕事です。
食品の製造から流通、販売まで、すべての工程で関わる大切なポジション。
食品の品質管理の仕事は、非常に重要な仕事ですが、
同時に、非常に大変な仕事でもあります。
なぜ食品の品質管理の仕事は「やめとけ」と言われることが多いのでしょうか。
その理由は、食品の品質管理の仕事は、非常に責任が重く、体力的にも精神的にもハードな仕事だから。
食品の品質管理の仕事は、食品の安全性と品質を守るために、常に緊張感を持って仕事に取り組まなければならない一面も。
また、食品の品質管理の仕事は、食品製造の工程のすべてにわたっており、非常に多岐にわたる知識とスキルが必要とされます。
しかし、食品の品質管理の仕事は、非常にやりがいのある仕事でもあります。
食品の品質管理の仕事を通じて、安全で美味しい食品を消費者に提供することができます。
また、食品の品質管理の仕事は、食品業界のスペシャリストになることができる仕事です。
食品の品質管理の役割
食品の品質管理の仕事の役割は、次のとおり。
- 食品の安全性と品質を管理する
- 食品の安全性と品質に関する法規制を遵守する
- 食品の安全性と品質に関するデータや情報を収集・分析する
- 食品の安全性と品質に関する問題を解決する
- 食品の安全性と品質に関する教育・研修を行う
自社の製品について、
品質面でも法律面でも安全で清廉潔白な商品であるように管理するのが品質管理の役割。
本社品管は品質保証と呼ばれることも。
品質管理とよんだり品質保証とよんだり、
結構会社によって部署名はまちまち。
食品の品質管理の仕事内容
食品品質管理の仕事内容は、次のとおりです。
- 原材料の受け入れ検査
- 製造工程の品質管理
- 製品の最終検査
- 出荷前の品質管理
- お客様からのクレーム対応
- 品質管理システムの構築・運用
- 品質管理に関する教育・研修
まさに食品工場内のおはようからおやすみまですべてにかかわる品質管理。
ルーチンの仕事は上記の通りだけれど、
サプライヤー管理や取引先監査なども守備範囲なので、
意外と出張も発生することもありますよ。
食品の品質管理の資格
食品の品質管理では、なければできないという明確な資格はありません。
営業許可の都合上、従業員の内最低1名は食品衛生責任者を配置せねばではあるものの、
食品衛生責任者が品質管理である必要はありません。
あるとスムーズ、良いものは下記の通り。
- HACCP研修三日間
- 食品表示検定中級以上
この資格がないと品質管理に慣れないわけではないけれど、
この資格がないと品質管理の業務内容はきついかなと思います。
食品の品質管理はやめとけ? 一方でやりがいも3つある
食品の品質管理の仕事は、食品の安全性を確保し、
品質を向上させるための重要な仕事です。
食品の安全性に対する意識が高まっている近年、食品品質管理の仕事はますます重要に。
食品品質管理の仕事のやりがいは、
なんといっても「食品の安全性を確保」し、
「品質を向上させる」ことで、「人々の健康に貢献できる」ことです。
また、食品の品質管理の仕事は、例外なく食品業界のスペシャリストになれる仕事なのです。
食品の品質保証やりがい①自社商品の安全性確保の要である
食品の品質管理の仕事のやりがいの一つは、食品の安全性を確保できること。
食品の安全性に対する意識は、近年高まっており青天井です。
食品品質管理の仕事はますます重要になることは間違いありません。
食品の製造工程や流通過程において、食品の安全性をチェックし、問題があれば改善策を講じることも品質管理の仕事です。
食品の安全性を確保することは、人々の健康に直接関わることであり、食品の品質管理の仕事には大きなやりがいがあります。
食品の安全性を確保するために必要なのは下記の通り。
- 食品衛生法などの法律や規則を遵守すること
- 食品の製造工程や流通過程における衛生管理や品質管理を徹底すること
食品の品質管理の仕事では、これらの法律や規則、衛生管理や品質管理に関する知識や技術が必要不可欠になります。
食品の品質保証やりがい②食品の品質向上に貢献できること
食品の品質管理の仕事のやりがい2つ目は、食品の品質向上に貢献できることです。
食品安全・食品衛生面の管理技術やノウハウは会社の宝であり、
他社に知られたとしてもお互い高め合えるという不思議なものです。
食品の品質向上は、人々の生活をより豊かにするだけでなく、企業の競争力向上にもつながります。
食品の品質向上のために重要なのは下記の通り。
- 食品の製造工程や流通過程における衛生管理や品質管理を徹底すること
- 食品の原材料や加工方法、包装方法などにも配慮する
食品品質管理の仕事では、これらの知識や技術が必要となります。
食品品質管理の仕事は、食品の品質向上に貢献し、食品業界全体をより豊かにできるやりがいのある仕事です。
食品の品質保証やりがい③食品業界のスペシャリストになれる
食品の品質管理の仕事のやりがいの3つ目は、
ズバリ食品業界のスペシャリストになれること。
食品品質管理の仕事では、以下のスキルを身につけることができます。
- 食品衛生法などの法律や規則に関する知識
- 食品の製造工程や流通過程に関する知識
- 食品の安全性や品質に関する知識
- 統計学やデータ解析に関する知識
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- リーダーシップ
意外かもしれませんが、
食品に限らず品質管理の仕事というのはクレーム対応もあり、
それでいて全部署と関わる仕事につきコミュニケーション能力超重要です。
(そのため強制的に身に付く)
また、リーダーシップは衛生面安全面での指導教育のため、
どうやって改善に導くか?という「導き」能力を求められるのです。
食品の品質管理の仕事は、食品業界で幅広く活躍できるスキルを身につけることができる仕事です。
食品の品質管理はやめとけ? やっぱり大変なこと3選
食品の品質管理の仕事は、責任が重い仕事というのは周知の事実。
食品の安全性や品質に問題があると、人々の健康に大きな影響を与える可能性がある事故につながってしまうから。
食品品質管理の仕事は、責任が重く、イレギュラーな対応が多く、規制が多い仕事です。
イレギュラーな対応が求められるため、
予想外なタイミングで残業や出張を要する事態になることも。
下記に「やっぱり食品の品質管理って大変だよね」と思う3選をまとめています。
食品の品質管理の大変ポイント①責任が重い仕事である
食品の品質管理の仕事は、食品の安全性や品質を管理する責任があります。
もし製品に異常があった場合、製品の回収や販売中止などの判断が必要になります。
これらの対応は、企業や消費者に大きな影響を与える可能性も。
そのため、食品の品質管理の仕事は責任が重い仕事であると言えます。
食品品質管理の仕事の責任の重さは、以下の具体例からもわかります。
- 食品に異常があった場合、食品の回収や販売中止などの対応を行う必要があります。
- 食品の安全性や品質に問題が発生した場合は、夜間や休日でも対応する必要があります。
- 食品衛生法などの規制を遵守する必要があります。
- 食品の安全性や品質に関する最新の情報を常に把握する必要があります。
食品品質管理の仕事は、責任が重い仕事ですが、食品の安全性を確保し、品質を向上させるというやりがいがありますよ。
食品の品質管理の大変ポイント②イレギュラーな対応が多い
食品の品質管理の仕事は、食品の製造や流通のタイミングに合わせて行われるため、ルーチンな対応のみならずイレギュラーな対応が多い傾向があります。
また、製品の安全性や品質に問題が発生した場合は、夜間や休日でも対応する必要も。
そのため、食品の品質管理の仕事は残業が発生しやすい仕事であると言えます。
食品の品質管理の仕事の残業が多くなりがちな理由は、以下の通り。
- 食品の製造や流通は、24時間365日行われるため、食品品質管理の仕事もそれに応じて対応する必要があります。
- 食品の安全性や品質に問題が発生した場合は、迅速に対応する必要があります。そのため、夜間や休日でも対応する必要があります。
- 食品品質管理の仕事は、専門的な知識や技術が必要なため、経験を積むためには残業が必要になる場合があります。
食品の品質管理の大変ポイント③法規制が多いしかも頻繁に法が変わる
食品品質管理の仕事は、食品衛生法などの規制を遵守する必要があります。
これらの規制は、複雑で、頻繁に改正されるため、常に最新の情報を把握する必要があります。
そのため、食品の品質管理の仕事は食品衛生法などの法の規制が多い仕事であると言えます。
食品品質管理の仕事で遵守しなければならない規制は、ざっと挙げるだけでも下記のように複数あります。
- 食品衛生法
- 食品表示法
- 食品安全基本法
- 景品表示法
食品表示法の改正だけでも食品表示検定中級(中級表示診断士)が教える、知っておきたいメリットと勉強のコツにある通り、滅茶苦茶たくさんあります。
食品衛生法を見ても、ここ数年思いだせるだけでも、
HACCPの制度化の話や容器包装のポジティブリスト制度など、
目まぐるしく法律も変わっています。
食品の品質管理はやめとけ?それでもこんな人は食品の品質管理の仕事に向いている
食品の品質管理の仕事は、日本の消費者のガラパゴス化した過度な「食品の安心感」への欲求の為日々神経をする減らす仕事。
食品の品質管理の仕事はますますミスが許されない仕事になってきています。
それでもやはり大事なお仕事!1人でも多くの同士を輩出したい思いがあります。
食品の品質管理の仕事に向いている人には、以下のようなものがあります。
- 責任感のある人
- 細かい作業が得意な人
- 食品衛生法などの規制に興味がある人
食品品質管理の仕事は、様々な大変ポイントを抱えてはいるものの、
その分のやりがいは代えがたいもの。
食品品質管理の仕事に向いている人の特徴を、詳しく見ていきましょう。
食品の品質管理に向いている人の特徴①責任感が心地よい
食品の品質管理の仕事は、食品の安全性や品質を管理する責任があります。
もし製品に異常があった場合、対象商品の回収や販売中止などの対応が必要になることも。常に責任感と仕事をしていなくてはこなせない場面もあります。
- 食品の安全性や品質を管理する責任
- 食品衛生法などの規制を遵守する責任
- 食品の安全性や品質に関する問題が発生した場合に対応する責任
食品品質管理の仕事に向いている人は、上記のような責任を果たせる人です。
責任感のある人が大切にしているものは下記の通り。
- 正義感
- 誠実さ
- 思いやり
責任感のある人は、食品の安全性や品質を管理する際に、正義感を持って、誠実に、思いやりを持って取り組むことができます。
食品の品質管理に向いている人の特徴②細かい作業上等
食品の品質管理は、日々の現場の中で「あれ?ちょっとおかしい?」を見つけ出す仕事。
些末な変化に気付けるのも、品質管理の大事なスキルです。
食品の品質管理の仕事には、以下のような細かい作業があります。
- 食品の検査
- 食品の分析
- 食品の記録管理
- 食品の品質管理システムの構築
食品の品質管理システムの構築は、
規程書の作成やなんやらでかなり細かく根気を要する作業です。
細かい作業が得意になるためには、以下のようなものに注意する必要があります。
- 集中力
- 根気強さ
- 正確性
好きこそものの上手なれとも言いますが、
細かい作業が得意になれば、食品の品質管理の仕事で大きな力を発揮することができますよ。
食品の品質管理に向いている人の特徴③食品衛生法などの規制に興味がある人
食品は「やがて命に代わるもの」というようなキャッチコピーがあるように、
人の命や健康に直結するもの。
それ故に安全性を何重にも保証せねばならず、
多くの法律を突破せねば世に出回ることはありません。
複数の法律に関わっているというのは前述の通りで、
そもそも法律に興味を持って理解しようと努めなければなかなか解釈が難しいんですよね。
食品衛生法などの規制に興味を持つためには、以下のようなものが必要なはず。
- 食品の安全性に対する関心
- 法律に対する関心
- 社会に対する責任感
- 仕事に対する向上心
法律文は独特な言い回しや、解釈の幅があったりして、
結構馴染のない文なので、
食品衛生法などの規制に興味を持つことができるのはかなり食品の品質管理を仕事にするうえで重要な素養です。
食品の品質管理はやめとけ?向かない人はやっぱりいる
食品の品質管理の仕事は、すべての人に向いているわけではありません。
食品品質管理の仕事に向いていない人には、以下のようなものがあります。
- 責任感のない人
- 細かい作業が苦手な人
- 食品衛生法などの規制に興味がない人
主に前述の逆を行く人はやっぱり不向きです。
何度も言いますが食品の品質管理の仕事は、
食品の安全性や品質を管理する重要な仕事です。
食品の安全性や品質を管理することに責任感を持てない人、
細かい作業が苦手な人、
食品衛生法などの規制に興味のない人はおそらく食品の品質管理の仕事そのものが辛くなってしまいます。
食品品質管理の仕事に興味のある方は、
自分の性格や能力をよく考えて、
食品品質管理の仕事に向いているかどうかを判断してくださいね。
食品の品質管理はやめとけ?仕事としての将来性はある
HACCP制度化しかり、食品の安全性に対する意識が高まっています。
そのため食品の品質管理の仕事は今後も需要が高まることが予想されます。食品業界は決してなくならない業種であり、食品の品質管理の仕事に就くことができる人材は今後も不足すると考えられます。
未経験でいきなり品質管理や品質保証というのは厳しいので、
食品の品質管理の仕事の需要は増加しますが、食品品質管理の仕事に就くことができる人材は、それほど多くありません。
食品の品質管理の仕事の将来性について、詳しく見ていきましょう。
食品の品質管理の将来性①食の安全性への需要の高まり
- 食品の安全性に関するニュースが頻繁に報道される
- 食品の安全性を重視する消費者が増えている
これらの事情により、食品の安全性への意識の高まりは否定できません。
また、異物混入などの事故が発生した際には、
対応を見誤るとSNSで瞬く間に拡散してしまう時代です。
食品の安全性を重視する消費者が増えていることも、
食品の安全性に対する意識の高まりにつながっています。
たとえば、有機食品や無添加食品などの安全性が高く見える食品を好む消費者が増えています。
HACCPの制度化により、
食品の安全性を評価する第三者機関の認証を重視する取引先もあります。
食品の安全性に対する意識の高まりは、
当然のことながら食品の品質管理の仕事の将来性に影響を与えています。
食品の品質管理の将来性②絶対になくならない業種
食品品質管理の仕事は、絶対になくならない業種です。
なぜなら、食品の安全性は、人々の生活に欠かせない要素だから。
そんな食品ですから、
安全性が確保されていないと人々の健康に大きな影響を与える可能性があります。
そのため、食品の安全性を確保するために、食品の品質管理の仕事は必要不可欠です。
食品の品質管理の仕事は、食品業界のあらゆる分野で必要とされています。
たとえば、食品製造業、食品流通業、食品小売業などです。
食品の品質管理の仕事は、
食品の安全性に関する法律や規制の改正にも対応する必要があり、
常に何かしか勉強していますよ。
食品の品質管理の将来性③絶対になくならない業種
食品品質管理の仕事に就く人材の不足の原因は、以下のようなものがあります。
- 食品品質管理の仕事の認知度の低さ
- 食品品質管理の仕事の専門性
- 食品品質管理の仕事のやりがい
食品品質管理の仕事は、食品の安全性や品質を管理する重要な仕事ですが、その認知度は低い傾向にあります。そのため、食品品質管理の仕事に就きたいと思っても、その存在を知らずに就職活動を終えてしまう人も少なくありません。
食品品質管理の仕事は、専門的な知識や技術が必要です。そのため、食品品質管理の仕事に就くためには、大学や専門学校で食品品質管理の勉強をする必要があります。また、食品品質管理の仕事は、食品の安全性や品質を管理する仕事であるため、責任感や倫理観が求められます。
食品品質管理の仕事は、やりがいのある仕事です。食品の安全性や品質を管理することで、人々の健康に貢献することができます。また、食品品質管理の仕事は、常に新しい知識や技術を学ぶ必要があります。そのため、食品品質管理の仕事は、やりがいがあり、成長できる仕事です。