就職転職

品質保証はきつい? 食品業界の品質保証部の本音話

食品業界に興味ある人
食品業界に興味ある人
大学出たんだから、
食品業界で製造のみってのはなぁ

そんな声が聞こえてきそうです。
食品業界は生活に密着している分、
有名どころや愛用商品など様ざまな企業が存在しています。

身近な分、ネームバリューを気にして就職・転職する業界ともいえるでしょうね。

実際、
就活や転職活動をしてみると、
特に就活は名前の知れた企業に凸しがち

なので、看板商品を持つメーカーに人気が集中し、
食品業界を目指す人たちは同じようなところに集まるんですよね。

食品業界=製造・ライン工
のイメージが強いですが、
大卒でずっとライン工というのも、疑問を持つ人が続出。

食品を専門的に学んだなら、
ライン工とは別に、食品にかかわる仕事がしたいもの。

本記事では、

  • 大卒で食品工場でする仕事・品質保証はきついのか知りたい人
  • ライン工から卒業して、品質保証を目指したい人

に役立つようになっています。

りりっつ
りりっつ
食品業界歴10年のりりっつが解説しますよ!

食品の品質保証部は何をしているのか

実際の食品の品質保証の仕事ってなんだろうか?となると、
下記記事にも詳しく記載していますよ。

食品の品質保証の仕事とは? 食品業界10年選手が解説食品業界の縁の下の力持ち、品質保証。 農学部卒業生にとっては憧れの職ではないでしょうか。 実際品質保証と品質管理の違いってなに?...

まとめると、

  1. 顧客対応(クレーム処理)
  2. 商品管理(自社商品の法令順守)
  3. サプライヤー管理・工場指導

この3つに集約できます。

社外と社内を繋ぐ窓口とでも言いましょうか。

仕入れから販売まで、
対外的に矢面に立つ仕事が品質保証といえます。

先様の顧客要望に応える監査対応やサプライヤー評価のための監査実施なんかも仕事です。

自社工場におけるQC工程表の作成や危害分析、
危害分析に必要な安全担保のデータ収集も仕事なので、
結構頭を使います。

HACCP制度化・義務化などという状況にある中で、
私が学生だった頃(10年前)はHACCPの講義なんてのは農場実習の食肉加工実習の一環にちょろっと概念を学び、工場見学をした程度。

いまどきの学生はHACCPの講義は重視してもらえているんでしょうかね?

品質保証部はきついらしい←本当?

検索窓にまことしやかにサジェストされる…

「品質保証 仕事」をgoogleに聞いてみた「品質保証 仕事」をgoogleに聞いてみた
りりっつ
りりっつ
もしかして…あんまりイメージ良くない?

きついかどうかだけじゃなく…うざいとも思われてる悲しさよ。

容赦なく現場に正論を突き付けて改善を要求する立場なので、
現場にとっちゃ厄介者なんでしょうね…。

品管・品証に改善要求されたらなにかしらアクションせねばならなくなるし…。
(実際、笑顔でえげつない要求とばす上司は現場に厄介者扱いされている…)

きついといえば、クレーム対応をせねばならず、
クレームをつけてくる人って、
「一言申さねば気が済まない!!!」と心が燃え上がっていることが多いので、
「そういわれましても…」と思うことも少なくありません。

仰る通りです」「申し訳ございません」「貴重なご意見ありがとうございます

この3語を駆使して、ヒートダウンしてもらって、
要望を聞き出すという過酷を極める業務…。

工場には、事故があった際には改善を促し、
報告書を作成することも仕事。

目の前の仕事に、利益が発生しないために、
重要性を理解してもらって動いてもらうにも一苦労…。

いや、わかるんだよ?
製造すればした分だけお金になるから優先したい気持ち。
けれども品質やクレームをないがしろにしたら、
未来の利益を失うんだよ…。

未来の利益を守る部署といえば聞こえはいいかしら?

品質保証部はきつい!けど他部署とも顔見知りに

前述もしていますし、
クレーム対応が絡む分品質保証部というのはきつい仕事というのは周知のとおり。

けれど、品質保証は社内外の窓口なので、
部署内で完結する仕事は一つもないというのが特殊なところ。

直接お客様の声もクレームという形で受けることになるし、
改善要求やサプライヤー管理で納入工場や製造委託工場へも赴くわけで。
実際、私もワーママですが出張がものすごく多い。

商品管理では、
そもそも品質保証が許可できない商品は販売できないので、
商品を販売したい営業部署ともやり取りがある。

一つの会社で製造や事務をやっていたら出会えないであろう社内外の人たちと、
一番出会うのは品質保証だと思うの。

一つの支社で営業をやっていると、
自分の担当の顧客とは顔見知りになるけども、
他の支社の面々と顔を合わせる機会はめっぽう少ない。

なので、5年営業しました!で、退職されると、
え?そんな人いた?ということがしばしばありますが、
品質保証が退職なりなんなりすると、
え、あの人やめちゃったの?ってみんなピンとくる。

誰とでもまんべんなく関わりある部署なんです。

品質保証はどの会社にもどの分野にも必要

食品に限らず、
品質保証という部署はどの業界も持っているもの。

品質を保証する品目は異なっていても、
やっていることはどこの業界もほぼ一緒。

  • たくさんの人とやり取りが苦にならない
  • 法令などの変化を察知するのが好き
  • クレームに傷つき過ぎない
  • 攻撃的ではなく、友好的に他部署に改善を促すことができる

という感じの人は、品質保証に向いていると思います。

確かに大変な部署で、
自社の商品の信頼が肩に乗っかっていますが、
普通に内勤してたのでは出会えない人に出会えるのはやはり楽しいと思います。

私はクレーム対応の時、
「最高の対応をして、逆にこの人を弊社のファンにしてやろう!」という気概で挑んでいます。

満足のいく対応をすると、
自社商品のファンを増やすことができるというのも、
品質保証のやりがいの一つではないでしょうか。

 

ABOUT ME
りりっつ
一姫二太郎もつ昭和最後生まれワーママ。 食品衛生・食品化学で学位をとった修士持ち。 食品表示と食品衛生が得意。工場向け防虫業者→食品メーカー兼卸品証勤務。毎日食品表示法と景品表示法を乗り回し、商標関係も嗜む。