アレルギー表示って(○○を含む)じゃないの?
表示を確認する癖がある人は、
この魚介類のアレルギー表示の仕方に戸惑うはず。
なんてったって、原理原則からあまりにもかけ離れているから。
私も表示点検時に困った際は百聞は一見に如かずで、
大手さん(大手さんはコンサルタント入れて適正表示している可能性が高い)の表示の商品の裏面を見にコンビニやスーパーに走ったりもするし、
参考になる商品は経費で買ってきたりしています。
イレギュラー表示になれるには、
正しい現物をたくさん見るのが近道!
この記事を読むと、
(魚介類)はアレルギー表示の1つ
(魚介類)は魚介類のアレルギー表示。
この記事たちでも言及していますが、
とにかくこの(魚介類)のアレルギー表示はイレギュラー中のイレギュラーなんです。
実際当ブログへのアクセスも(魚介類)の検索から流入しているのが分かっているので、
いかに(魚介類)表示が意味不明で悩まされているかよく分かります。
(魚介類)というアレルギー表示は、
漁法などの事情から、アレルギー表示すべき魚種や貝類の混入がコントロールしきれず、
注意を促さねばならないといった事情でのみ表示が想定されています。
なので、(魚介類)というアレルギー表示が認められているのは、
- たん白加水分解物(魚介類)
- 魚醤(魚介類)
- 魚醤パウダー(魚介類)
- 魚肉すり身(魚介類)
- 魚油(魚介類)
- 魚介エキス(魚介類)
の6つの原材料のみでです。
(魚介類)のアレルギー表示は沼
(魚介類)は特殊表示故、とにかく解釈が難しい。
(魚介類)が指し得る範囲は、
アレルギー表示義務品目(特定原材料)とアレルギー表示推奨品目の中で、
えび・かに・さけ・さば・いか・あわびなどの中の「何か」が含まれている可能性を否定できないという状況。
そして、アレルギー個別表示【原材料の一般名(〇〇を含む)と都度表示する】ではあまり違和感なく魚醤(魚介類)と記載されるのですが、
アレルギー一括表示【原材料名欄の最後にまとめて、(一部に〇〇・△△を含む)と付与する】ではかなり馴染まない姿で表示されます。
まさにQ&Aでは(H-2)で下図のように表示例として示されています。
(引用:食品表示Q&A)
原材料名中で直付け(魚介類)が登場したうえで、
畳みかけるようにアレルギー一括表示でも登場。
しかも、(魚介類)が付与された原材料名はそのまま連れてきたうえで、
(魚介類)表示対象原材料が複数含まれていたら、そのまま複数連れてこなければならないというイレギュラーぶり。
通常、アレルギー個別表示と一括表示の混在は禁忌なのですが、
それに近しいことをするのが正答という…
いかに(魚介類)が異端で分かりにくい表示かということがよく分かりますね。
(魚介類)のアレルギー表示に不安!事例をみるべし
私も仕事上、一番参考になり役立つのが、
正答であろうと考えられる、コンサルタントが表示チェックしているであろう厳しい一般流通(コンビニや百貨店など)で戦っている商品の表示です。
とことん現場目線の当ブログは、
現場で働く自分が本当に参考になった情報を提供したく、
事例の紹介を重視しています。
今回連れてきた事例はコレ↓
何のけなしに食べようと思っていた商品につき、
ちょっと破れて一部見づらいのはご愛敬で。
本表示は、
魚醤(魚介類)と魚介エキスパウダーの使用があるものの、
(魚介類)のアレルギー表示があるのは魚醤(魚介類)のみです。
これ意味合いとしては、
魚醤については、アレルギー表示すべき魚介類の混入が否定できない原料というのと同時に、魚介エキスパウダーにはアレルギー表示すべき魚介類の混入がない(アレルギー表示対象以外の魚介類しか含まれ得ない)ということなんですね。
なので、
(魚介類)のアレルギー表示が認められている6原料でも、
アレルゲンとなり得る魚介類の混入が否定できる原材料については、
必ずしも(魚介類)の表示がなされるわけではないということです。
ただし、
本事例で仮に魚介エキスパウダーにも(魚介類)アレルギー表示が必要な場合、
原材料名中の名称にも魚介エキスパウダー(魚介類)がつくし、
原材料末尾のアレルギー一括表示も(一部に大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・魚醤(魚介類)・魚介エキスパウダー(魚介類)を含む)となるわけですね。
(魚介類)のアレルギー表示を正しくするには
としか言えないのです。
そして、いざ探すとなかなか見つかない。
当方も(魚介類)の表示例を探すべく店頭を見渡すのですが、
意識してみるとなかなか見つからないんですよね…
(ピンポイントで探していない時に限って見つかり、既に破ってしまって後悔したというのが画像にも表現されていますが…)
事例に勝る参考書ナシです。
当ブログでは今後も事例重視で難題表示は解説できればと考えていますよ。